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Fictanima

​Super commonesence in the future.

 人間が「生物種としてのヒト」を越えた「人格を持った生き物」であることは、地球上で類い稀な社会性を生み出し、そしてヒトの持つ「知性」および「知的欲求」は人類の歴史において様々な発明と結果をもたらしてきた。

 

 人間独自の思考や欲求のなかで生まれる人々の生活の営みを観察する中で、現代社会においては何の違和感もない 「ペット」という存在は、異種の動物を飼い慣らす、愛玩するといった人間にしか見られない特殊な行為であることに気がつく。その行為の特異性は「日常」というあたりまえの中に埋もれているが、ペットというものが近い未来ではどのように変化するのかを創造することで、人そのものを客観視することができ、人類がいかに異色であるかを可視化すると同時に、自らをも気付かぬうちに人間社会という人工物の中で飼ってしまう可能性を内包している。

 

 想像した未来のペット『Fictanima』は、生物学、生態心理学、人類学などのさまざまな学問領域でのリサーチに加え、現在の科学技術の実例を反映することで、それが決してSF世界の物語なのではなく、また、自身の一部を飼うということについて決して飛躍した表現ではなく、実現に起こりうる可能性を秘めたものであることを示唆している。

 祖先の頃から、我々人類が幾度となく試みてきた「ヒトをつくる」ことの実現はもうそこまできている。あとは「道徳」や「倫理」がどのように振れるかだけなのだとしたら、あなたはこの箱の中にどのような未来をみるだろうか?

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